1961年、この街の未来を明るくするという強い志を持った22人の青年が、倉吉青年会議所を創立しました。礎は築かれ、一段、また一段と積み上げられてきた歴史は、2022年、11人の青年に託されました。
昨年、一昨年と猛威を振るった新型コロナウィルスの感染拡大により、社会は閉塞し、人々は人と人との繋がりを失いました。それは倉吉青年会議所においても例外ではなく、例会や、事業、交流会など多くの機会を奪われてきました。
しかしいつの時代であっても、我々青年会議所の使命は、「青年に成長と発展の機会を提供すること」です。私はこの使命に基づき、倉吉青年会議所を再始動させるため、2022年度理事長となる決意を致しました。
会員が自己を、組織を、地域をより良くするために、やりたいことを見つけ、やりたいことに向かってトライできる、そんな倉吉青年会議所でありたいと願います。2022年があなたにとって、ターニングポイントとなるような一年になりますように。
倉吉青年会議所は、2021年度を持って創立60周年を迎えました。歴史の中で、先輩諸氏はこれまでもその時代に合わせ、変革を繰り返してきました。我々もまた、今、変革を求められています。
社会情勢は目まぐるしく変化し、当たり前だったことが、次の瞬間には古いものへと追いやられてしまう時代において、若者の価値観は多様化し、時流に乗り遅れた組織は、やがてそのブランディング力を失います。凝り固まった常識は、もはや非常識であることに、我々は気付かなければなりません。倉吉青年会議所の今を見据え、未来を見据え、新時代の組織形成に取り組みます。
組織に所属し活動するとき、「やらなければならないこと」と「やりたいこと」があります。前者に偏ると活動は義務化・業務化され、後者に偏るとスキルアップは望めません。両者のバランスができるだけ均等であることこそ、青年会議所のあるべき姿であると考えます。
では、今の倉吉青年会議所はどうでしょうか。会員数の減少に伴い一人ひとりの負担は増加し、「やらなければならないこと」が「やりたいこと」を超越しているように感じます。それを修練という一言で片づけるのは、組織としてあまりにも身勝手ではないでしょうか。
戸車を動かすためには、必ず「あそび」が必要です。本年度は、一年間の例会事業の内容を、年当初に全て確定することを行いません。活動計画に「あそび」を作ることで、当月を、会員がやりたいことを見つけたとき、それに向かって実行に移すことのできるアクティブシチズン育成の機会とします。
本年度、倉吉青年会議所は11名からのスタートとなります。会員が減少すれば、一人ひとりの負担は増加し、これまで受け継がれてきた運動や、会員が思い描く活動を行うことが難しくなることは言うまでもありません。
そのような状況の中、昨年、一昨年と新型コロナウイルスの影響もあり、思うような会員拡大の成果を上げることができませんでした。しかし会員拡大は倉吉青年会議所にとって急務であり、新型コロナウィルスの終息を固唾を吞んでただ待つことはできません。我々が持続可能な組織となるためには、会員拡大は然ることながら、組織のダイバーシティ化も同時に推し進める必要があります。
まずは部会を通じて、倉吉青年会議所を明日へ繋げる道を模索します。そして、組織のダイバーシティ化を実現するため、地域で頑張る女性を積極的にリクルートし、男女比率を同率にすることを目指します。また、あらゆる職種から、先入観に囚われない会員拡大活動を実行します。ダイバーシティの実現は、倉吉青年会議所にイノベーションと発展をもたらすと私は信じています。
「くらよし」のことを、我々はどのくらい知っているでしょうか。私自身、一度はこの倉吉を離れました。離れ暮らしたその街には、幼少期に釣りをした海はなく、田んぼも、雪だるまも、天狗のお面を被ったハナタカに追いかけられることもありません。当たり前のようにあった自然や文化は、尊く、当たり前のことではなかったと思い知りました。この街の魅力は、そこに住んでいる人には近すぎて見えないのかもしれません。
倉吉青年会議所もまた、この街で生まれ、この街とともに発展してきました。地域に寄り添い、「利害」ではなく「奉仕」を信条としてきた我々だからこそ、様々な視点から、新たな魅力を発掘すること、新たな魅力を創造することができるはずです。
それが、60年に渡って育ててくれた「くらよし」への恩返しです。
第53代横綱琴櫻の顕彰と青少年の健全育成を目的として開催されてきた桜ずもうは、今年で44回目を迎えます。これまで選手募集や勧募金集め、大会の準備や運営方法、さらには大風による延期や新型コロナウィルスの影響など、大小幾多の困難を乗り越えてきました。そこには、当年度理事長の理念の下、歴代実行委員長は創意工夫を重ねながら、自分なりの桜ずもうを構築させてきた背景があります。
我々は、これまで積み重ねてきた偉大な挑戦と反省を活かしつつ、これからの桜ずもうの在り方を模索する必要があります。行政・各学校・関係団体としっかりと連携を取ることは当然のことながら、規模や慣例に囚われず、第53代横綱琴櫻の顕彰と青少年の健全育成を目的とする「持続可能な桜ずもう」をテーマに取り組みます。
桜の花言葉は「精神の美」です。桜の木の下でぶつかり合った子どもたちが、やがて美しい心を持つ青年に育つよう願いを込めて、第44回桜ずもうを開催致します。
私たち一人ひとりにできることは小さなことです。それゆえに、地域のことを考えるとき、ともすれば、閃きや思い付きは誰に話すこともなく、諦めにも似た感情の中で妄想として消えていきます。
しかし、我々が所属しているのは青年会議所です。青年会議所の使命は、「青年に発展と成長の機会を提供すること」です。私はこのことを方針の真ん中に置き、貫徹することで、会員一人ひとりが変革の起点となり、地域をより良くする運動を創ることができるようになると信じています。
60年と1年目、今こそ上下、心を一つとし、明るい未来に向けて新たな一歩を踏み出しましょう。
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