1949年、戦後間もない頃、明るい豊かな社会の実現を理想とした若者によって青年会議所運動が始まりました。この運動は東京青年会議所から全国へと拡がり、高度経済成長の真っ只中の1961年に倉吉の英知と勇気と情熱を持った若者22名によって倉吉青年会議所が設立されました。その後多くの皆様のご理解とご協力と共に、先輩諸兄から受け継がれた熱き想いは現代まで紡がれてきました。さて、2019年の末に新型コロナウイルスが世界で初めて確認されてから3年の月日が流れました。未だ収束の兆しが見えず世界中に深刻な被害をもたらし続けています。そのような社会情勢の中でも、SDGsへの取り組みをはじめ、新しい生活様式や社会活動の創造など、アフターコロナを見据えた活発な運動をする人々の活躍も目にするようになってきました。我々青年会議所の活動も、昨年・一昨年はWEBを活用しながらの新たな形のJC活動の在り方を確立することで、結果として新しい価値観をもたらしました。移動と接触を制限された活動の中においても私たちは時代に対応できる力があることを証明できました。この困難な時代の中においてこそ我々青年会議所は、これからも社会の変化に柔軟に対応し、地域の先駆けとなる存在であり続けなければなりません。変えてはならないものは継承し、変化が必要なものは大胆に変革していく組織であることがこの地域を牽引していく我々の使命だと感じています。本年度「雲外蒼天」をスローガンに掲げました。雲外蒼天とは努力して困難を乗り越えれば、すばらしい世界が待っているという意味です。今の青年会議所そして社会情勢が置かれた状況は引き続き困難の渦中にあります。このような時だからこそ同じ志を持った仲間と共に倉吉の豊かな未来を創り、紡いでいきます。その想いを持って一年間邁進して参ります。
青年会議所の理想は明るい豊かな社会を築き上げることです。明るい豊かな社会の実現には多様性と持続可能性がある地域であることが求められているのではないでしょうか。私たち青年会議所は地域の課題に対し、どのように解決するのかを考え行動する団体ですので、そこに所属するすべての多様性に対し相手の立場に立って考え、気持ちに寄り添える団体でなければなりません。それは入会してきたメンバーに対しても同様です。それぞれが熱い想いを持って入会してきたのと同時に個々が問題を抱えながら活動している側面もあります。それは育児や家庭であったり職場の理解であったり、理由は様々です。今年度は会員の負担を分散しライフスタイルを尊重するため、そして若手会員の成長のために年の数回程度の例会と例会事業の議案書を若手会員に振り分けて作成していただきます。これにより委員長の負担を軽減するとともに、より多くの会員に成長の機会が訪れます。この新たな施策によって倉吉青年会議所を持続可能な組織にするための足掛かりとしましょう。
倉吉青年会議所は過去には100名近いメンバーが在籍していましたが、現在は15名程度の会員数で活動をしています。「会員減少」というフレーズは毎年のように叫ばれ、現在ではどこか聞き慣れてしまった現状に強い危機感を感じています。メンバーが減る事により一人一人の負担が増え、引いてはメンバーのやる気や活力の低下を招き、悪循環となってしまう事が懸念されます。このままですと近い将来倉吉青年会議所存続の危機に瀕する事は間違いありません。
入会見込者が青年会議所への入会を躊躇する要因の一つが活動による生活への負担増に対しての不安です。しかし近年コロナ禍から活動の在り方を多様化してきたことで参加しやすくなってきた団体であることをアピールすることができます。2022年度は新たな取り組みの一つとして、家庭の事情により幼い子どもを委員会に連れて来なければならない会員のために保育士による託児をしていただきました。このように、今後も会員や入会見込者の抱える不安に寄り添いケースごとに対応していくことで様々な職種、そして性別を問わない拡大活動に繋げ組織の強化を目指していきます。拡大活動は年間を通して行っていきます。これまでほとんどが活動内容の広報という形でしか活用してこなかったSNSを、より有効的に活用するために会員拡大においても積極的に取り入れ、またOBの先輩方との連携を図り、そして会員同士のコミュニケーションを大切にして全員で推進して参ります。
青年会議所の最大の魅力は「機会の提供」だと私は考えます。私自身、2017年の入会から担当した役職や携わった事業を通して多くの方と出会い、達成感や苦難を経験し成長させていただきました。青年会議所は会員一人ひとりに発展と成長の機会を提供する組織です。地域に必要とされ、課題を解決していく組織として、このまちの明るい豊かな未来のために進化を続けていかなければなりません。
個人や組織の成長には、地域社会との交流は欠かせません。今年度は、ロマンチック街道313と県立美術館盛り上げ部会では主幹の機会をいただきました。その中で他団体含めた地域の方々との協働を通じて、我々の価値観だけに縛られない学びを得、地域を牽引する人材へと成長します。
今年度、第45回という節目を迎える桜ずもうは第53代横綱琴櫻の顕彰と青少年の健全育成を目的として長い歴史を刻んできました。この大会は地域の子どもたち、そしてこの街の方々に支えられて歩みを続けてくることができました。これまで諸先輩方は幾多の困難を抱えながらも乗り越え毎年多くの子どもたちが参加し盛大な大会を継続してこられました。近年は学校関係の働き方改革、そしてコロナウイルスによる影響で選手募集の方法が大きく変わり、運営方法も変化してきました。それに伴い参加者の減少が通例化しつつあり、大会の規模自体も縮小化してきているのが現状です。昨年、一昨年はコロナ禍という苦しい中でも試行錯誤し、大会を開催することができることを証明しました。大会の運営は、今後も急速な変化を続ける社会に柔軟に対応しながらその年に適した運営を行っていきます。選手募集については、時代の変化と受け止め現状の方法に満足していては、いつまで経っても参加者の増加は見込めません。今年は告知や募集方法を強化し、コロナ以前の賑わいを相撲広場に取り戻すために会員一丸となって取り組んでいきます。我々は、どんなに社会が変化しようとも琴櫻の顕彰と青少年健全育成という2つの目的を見失ってはいけません。また、参加する子どもたちには勝負の大切さと相手を思いやる気持ちを育み心の成長に繋がる大会にします。そしてこれからも地域住民から愛される大会として次代へと繋ぐ桜ずもうを実施して参ります。
2023年度の 倉吉青年会議所は、会員一人ひとりの幸せや自由を尊重しながら、現在の価値観に対応した青年会議所の在り方を模索していきます。それは楽なことをしていこうという意味ではありません。楽な道の先に理想の自分は待っていてはくれません。失敗を繰り返しながら困難を乗り越えた先にこそ、理想の自分・組織が待っていてくれると信じます。立ち込めている雲を突き抜けたその先には、明るい未来が広がっています。そこに到達するために素晴らしき仲間とともに力を合わせて運動を展開していきましょう。
Copyright © 2016 Kurayoshi JC All Rights Reserved.